ONESTAR
ねーちゃんは、サラダの上に乗ってたエビだけをフォークに突き刺して口に入れたところで、

俺に向き直ると、「なあに?」と言う代わりに、

フォークを咥えたまま小首を傾げた。

かわいすぎるっっ

エビ、

エビになりたい。

エビになってねーちゃんの口の中に入りたい。

「なあに?」

あんまり俺が黙ってるもんだから、ねーちゃんはおいしくエビを食べた後、声に出して聞いた。

何の話でしたっけ?!

落ち着け。

落ち着け、俺。

何しに来たんだ。

エビになりに来たんじゃないだろ。
< 347 / 474 >

この作品をシェア

pagetop