ONESTAR
今だけ、ドキドキ止まれ。

「ねーちゃん、俺、店長さんみたいになりたくてさ。」

「え?」

「料理人になる為の修行してたんだ。ここで。そのシーフードサラダだって、俺、仕込み手伝ったんだぜ。」

「そうなの?」

ねーちゃんは、目の前のシーフードサラダをしげしげと見つめる。

ま、今日は野菜洗っただけだけどね。

一応エビの背綿も処理できるぜ。

「でも、店長さんにも将来のこと、ちゃんと考えた方がいいって言われて、暫くお休みすることにしたんだ。」

ここから、

ここからだ。

これを言う為だけに、こんなキメキメのカッコで来てんのに。
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