ONESTAR
「いつか、ねーちゃんに俺の料理食べてもらいたいなって思って。」

そう言うと、明らかに、ねーちゃんは、戸惑った表情を見せた。

さっきまで、

何か言ってるわ、くらいに軽く聞き流してたのに。

「ほぼ毎日ここに来てるねーちゃんならさ、俺がどんだけ店長さんに近づいたか分かると思うよ。」

ねーちゃんは、さっき俺がなりたいと願ったシーフードサラダのエビをフォークでつついてる。

俺を見ようともしない。

それは、何て言って断ろうかと考えてるから?

ホントは、そんなに上達なんてしてなかった。

仕込みをほんのちょっと手伝ったぐらいで、

プロに敵うはずがない。
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