ONESTAR
だって、ここの仕込みの手伝いを辞めたら、

もう、

俺とねーちゃんをつなぐものなんて、

何一つなくなるじゃん。

だから、

これだけ言いたかった。

実現しなくても、

いつか、

ねーちゃんに俺の料理食べてもらうんだって、

思うことで生きていけるから。

「……そんなことしなくても……」

ねーちゃんはようやくそれだけ言うと、

ことり、とフォークをテーブルに置いた。

ほら。

「ごめんなさい。」のスタンバイだ。

なんて、マジメなねーちゃん。
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