ONESTAR
あわててその真珠みたいな涙を拭おうとして、

伸ばした俺の指先が、

小刻みに震えてるのが目に入った。

かっちょ悪。

「どうして……震えてるの?」

ねーちゃんがまっすぐに俺を見て言った。

バレてるーっ!!

「き、緊張した……」

いろいろ言い訳を考えた結果、正直に答えた。

「……ファーストキスじゃないくせに。」

「……ねーちゃんとは、ファーストキスだよ。」

「ああ言えばこう言うのね。昔は可愛かったのに。」

「今はカッコいいもん。」
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