ONESTAR
「その自意識過剰なとこがキライ。」

「俺、全然カッコよくないし。」

「そうねえ。鼻水たらして泣いてたんだもんね。学校行きたくないって。」

「それは言わないで。」

「あはは。」

ねーちゃんが笑う。

それから、天井を見たまま、俺に言った。

「ごめんね。」

「え?」

いや、謝るのはねーちゃんのファーストキスを奪った俺の方……

「ごめんね、あんなに小さかったのに、あんたはあんなに頑張ってたのに……あたし、ずっとつまんない意地張って……」

「……何言ってんの?」
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