ONESTAR
「だって、まだ小学生だったのに……あたしのせいで、家族揃ってどっか出かけた思い出とかもないでしょ?クリスマスとかお誕生日とかも。」

「……それどころじゃなかったじゃん。俺、外に出られなかったんだからさ。」

「……ごめん。」

ねーちゃんが、両腕を伸ばし、俺の頭を自分の胸に抱きかかえた。

あの、やーらかい胸が頬にあたるんですけど。

ねーちゃんの腕の温度と、

俺の首の温度がゆっくりと同化してく。

幸せ過ぎて、

俺、死ぬかもしんない。

「ねーちゃんの心臓の音、聞こえるよ。」

「……生きてるもん。」

眠そうにねーちゃんが答える。
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