ONESTAR
心の中でそう言って、酔い潰れたおかげで浮腫んでいるであろう顔を向け、唇だけで笑ってやる。

俺と目を合わせたおふくろは、朝っぱらからきれいに化粧をしてた。

あの頃と違って、金と時間に余裕のある女。確か今年で40の大台に乗るんだと言ってた。

憎んでいる、わけじゃない。

ただ、どうしようもないだけだ。

たぶん俺は、

この人を、一生、許せない。



「……早くしなさいよ。」

おふくろがバタンとドアを閉め、部屋を出て行く。
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