ONESTAR
「そんなに気に入ってくれたんなら、今度作ってくるわ。そうだ、お母さん、誕生日でしょ?ケーキ焼いて持ってくるわ。」

「え?だって……」

「楽しみにしてて。」

ねーちゃんは、俺がソファの上に置きっぱの自分のカバンを取る。

「じゃあね、ヨシアキ。」

そのままねーちゃんが玄関に向かう。

おふくろが大根と玉ねぎを抜いた紙袋を持って追いかける。

待ちきれない親父が「母さん、喪服は?」と言いながら部屋を出る。

玄関でわいわい言いながら

家族ごっこが続いてる。
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