ONESTAR
「ヨシアキ!」

「離せよ!!」

振り払おうとしたのに、すごい力だった。

「昨日、何があったか知らないけど!!」

俺の耳元でお袋が叫ぶ。

うるさいって。

追いかけないと、

追いかけないと、早く。

ねーちゃんを見失う。

「トモミちゃんの気持ちを考えてあげて。」

振り解こうと必死になればなるほど、

おふくろの細い腕は俺の腹の上で交差したたままびくともしない。
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