ONESTAR
Brand New Onestar
猛スピードで螺旋階段をぐるぐる駆け下り、

1階についた頃には、気持ちが悪くて「おえっ」てなりそうだったけど、

そんなこと言ってる場合じゃねーし!!

「ねーちゃん!!」

マンションの自動ドアを走りぬけ表に出る。

見つけた。

ねーちゃんは駅に向かおうと歩いてた。

「ヨシアキ?あたし何か忘れ物でも……どうしたの?」

振り向いたねーちゃんの笑顔が、

なんか見えにくいのは、

雨上がりの6月の空が眩しすぎるせいだと思ったんだけど、

そうじゃなかった。

俺、泣いてるし。
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