ONESTAR
「親子ねぇ~。泣き方、お母さんそっくりよ。」

ああ、これで俺、おふくろの子じゃないかもって期待もなくなったってわけだ。

「どうして裸足なの?危ないわよ。」

ねーちゃんはごそごそカバンの中からハンカチを出して俺に差し出す。

「もうじきライブなんでしょ?怪我しちゃダメなんじゃないの?」

聞きたい事がいっぱいあるのは俺の方なのに、

ねーちゃんがいっぱい話しかけるから、

俺はしゃべろうと意気込んでは、全力疾走と大号泣が手伝って、

「どうして?」の一言が切り出せない。
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