ONESTAR
小学校以来、厨房になんて立ったことのない俺が、何とかサラダを作り上げる間に、ねーちゃんは器用にオムライスを二個作り上げ、本棚の後ろから折りたたみ式のテーブルを出すと、ランチョンマットやオレンジ色のコップに入れたコンソメスープで、小さな食卓をコーディネートした。

俺が作ったサラダを真ん中に置き、ねーちゃんがとりわけて俺に笑顔でどうぞ、と皿を渡してくれた時、

このまま時が止まればいいと、本気で思った。

幸せだったのは、ねーちゃんの部屋を出るまでだった。
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