ONESTAR
「何が観たい?」

「恋する季節。」

なんじゃそりゃ。

すげータイトルだなと思いながら、リホコの頬に唇をつける。

馴れ合った肌を合わせた瞬間、胸の奥で広がる感情は、愛しさでも、安堵でもなくて。

だけどリホコは、俺よりも先に気づいてる。

だってお互いこんな都合のいい相手はいないから。

「今から行こうぜ。」

「ダメ。出席日数足りなくなるわよ。授業終わったら迎えに来てよ。」

「はいはい。」
< 76 / 474 >

この作品をシェア

pagetop