最後の青
最後の青
仮にメリーと名付けよう


彼女の持ち主は古くなったメリーの変わりに新しい人形を買ってもらい、いらなくなったメリーをこのゴミ置き場に捨てたのだ。


メリーは悲しかった。

姿は人を模しているが人の様に立って歩く事も出来ないし


大声で助けを求める事だって出来ないし


悲しいのに涙はでない。

ただ淡々と過ぎる時間の中でゴミ収集業者に回収されるのを待つだけの悲しい運命だ。

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