【第二部】鬼に愛された女


「どこだって言うのよ!」


書物を蹴散らして捜し出す


そのせいで、埃が部屋中に舞う


「げほっ、げほっ……」

南はせき込むと、その場で座り込んでしまった


手で宙を扇ぐ


口に手を当ててなるべく埃を吸わないように気をつけながら、小さく息を吸う


そして片手で手探りで扉を捜し始めた




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