【第二部】鬼に愛された女
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ばたりと地下牢に続く扉の閉まる音が響く
鋼は、琥珀を連れ去られるのをただ見ていることしかできなかった
「もしかしてお前、あの女に惚れたか?」
白雲は自ら牢に入り、そう鋼に尋ねた
でも鋼は何も言わずに牢に錠をかけた
「……図星だろ。今のお前はひどい顔してるぞ」
「うるさい」
「今のお前は俺に似ている。手に入れたくても手に入らない。そうして自分を壊していく」
「……うるさい」
鋼の声音がどんどん低く、冷たくなる