【第二部】鬼に愛された女
そんな自分が琥珀様に好意を寄せてはいけない
いけないんだ
だが、ずっと心に引っかかることがある
それは琥珀様の涙
あの方を守る役目なのに、泣かせてしまった
これで二度目だろう
もう泣かせないと決めていたのにな
「手に入れたいものは自分の力で奪う。でも、それは相手の意志をまずは尊重させる。お前のように全てを狂わせたりはしない」
「……あっ、そう。最後がどうなるか楽しみだな」
白雲はにやりと微笑み、牢屋から鋼を見つめる
鋼も白雲に視線をおくり、地下室を出て行った