【第二部】鬼に愛された女
「しばらく屋敷にはいられないわね」
男が身につける直衣を私は気にせず身につける
京助おじ様が陰陽術を習うなら、
動きやすい服装がいいとおっしゃ
って、私はこうして直衣をきてい
るのです
「よし。逃げるか」
世の中物騒だから、一応札と短刀を隠し持ってから、庭にでる
「……せーのっ!」
私は勢いよく跳ね上がり、庭に生えている桜の木に登った
今は桜の時期じゃないから咲いて
はいないけど、とても綺麗な桜の
花を見せてくれるの