【第二部】鬼に愛された女
呼吸が乱れはじめ、指先がどんどん冷たくなっていくのが琥珀には分かった
「美月……。俺は、あきらめ……な……」
続く言葉がもう聞こえなくなったと思えば、白雲の目が弱々しく閉じられてしまった
「ちょっと、目を開けてよ!ねぇ!」
琥珀は南から離れ、白雲の身体を揺らすが、全く反応がない
「止めなさい。これは白雲の意志なの」
「……南様、それはどういう意味ですか」
南は白雲のそばにより、頭を撫でて、白雲のことを話し始めた