【第二部】鬼に愛された女
「平気です」
「そうですかぁ。心配しましたぞ。それで琥珀様、これは一体誰の血なのじゃ?」
床についている大量の血を見て玄二がそう言った
なんて……言ったらいいの?
ついさっきあった出来事を頭の中で何度も再現させる
あの恐ろしい出来事を
「えっと……」
言葉に詰まっていると、鋼が変わりに説明してくれた
「白雲の血です」
「なに?どういうことじゃ」
眉を大きく動かし、鋼を睨みつける