【第二部】鬼に愛された女
「……今の、美月の考えを当ててみようか?」
気づけば唇が離れて、神威は美月を愛おしそうに見つめる
「この時がずっと続かないかと考えていなかったか?」
得意げにそう話すと、ゆっくりと歩き出した
「神威様……」
「そんな顔をするな美月。そなたには笑っている顔が似合っている」
「でもわたくし……!」
「何も言わなくていい。何も考えず、今を生きていこう?」
「はい……」
美月は何も言うことは出来なかった
だから美月は、神威が言ったとおりに、今を精一杯生きようと決めたのだった