【第二部】鬼に愛された女
「鬼神院最高権力者の老長、玄二様はとくに酷かったのです。今じゃあ優しい老人のように見えますが、裏のある方です。気をつけてください」
「は、はい」
真剣な眼差しでこちらを見る近江に琥珀は、その玄二という人の恐ろしさを知った
だが、会ってみたいという好奇心もある
「近江、終わったか?」
「終わりましたー。今いきます」
御簾の向こうから鋼の焦った声が聞こえた
「では、行きましょうか」