【第二部】鬼に愛された女
地下牢の鬼
「はぁ」
今日で何度目のため息だろうか
先日行われた試験のことで琥珀は落ち込んでいた
前頭領の名を書くことは出来たが、歴史はさっぱりだった
結果は三日後
もう結果が目に見えている
「やだなぁ。もう帰りたい」
琥珀の瞳が潤んでくると、近江が部屋の中に入ってきた
「琥珀様、失礼します」
「お、近江っ!」
突然の近江の登場に、急いで琥珀は袖で涙を拭いた