【第二部】鬼に愛された女
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「……鋼。あの、今……大丈夫かしら?」
執務室に着くと、遠慮がちに中にいるだろう男に呼びかける
「……琥珀様ですか?どうぞお入りください」
「失礼します……」
静かに中に入ると、部屋は沢山の書物でいっぱいだった
鋼は部屋の真ん中にある机で何か書いていた
琥珀が来ると、すぐに筆を置いて、今書いていたものを隠した
「散らかっていてすみません。……それで、何のようですか?」
「えっと……近江がお父様とお母様の出会い話なら鋼が知ってるかもって教えてくれて、それで来たんだけど……」