【第二部】鬼に愛された女


女とは琥珀のことだ


「私……」


何か言わなくてはと口を開こうとすれば、白雲によって遮られた


「で、あんた誰?」


「えっと……私は百鬼琥珀です」


「百鬼だと?」


ぎろりと睨まれるが、直ぐに満面の笑みへと変わった


「へぇ。ならあんたは美月の娘か」


「そう……ですが。母をご存じなのですか?」


ゆっくりと琥珀は檻の中にいる者に近づいた



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