【第二部】鬼に愛された女
嬉しそうに駆けていく琥珀とは裏腹に、白雲は眉間にしわを寄せ、不愉快だと言わんばかりの顔をしていた
「胸くそ悪い。美月に似た笑顔のくせに、瞳はあいつにそっくりだ」
どす黒いオーラが白雲を包む
こんなにも白雲の感情をかき乱す者だが、これから起こることに重要な人物
俺のために働いてもらうぞ
せいぜい、今の暮らしを楽しむといい
不気味な笑みを浮かべると、静かに両目を閉じたのだった