【第二部】鬼に愛された女


「……本当だ。傷がない」


琥珀はさっきまであったはず傷に触れるが、跡形もなく消えてしまっていた


「……では、帰りましょう」


「うん」


今日は大人しく鋼に従うことにした琥珀


着物についた土を払うと、鋼について歩こうとすれば、鋼は突然立ち止まってしまった


「鋼?」


どうしたものかと顔を覗こうとすれば、琥珀の視界がぐらりと揺らいだ




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