翔る。
暗いながらも月明かりが照らしてくれているおかげで視界が開ける。
そっと手を見る。
赤い赤い血が手から流れ落ちる。
そして実感する
あぁ…生きている、と。
すごくそんな気持ちがわき上がってくる。
「政宗様、こいつどういたしましょう?」
刀を持っていた男が制止させた男に言った。
どうやら制止させた男の名は政宗、らしい。
政宗?
それを聞いて一つの名前が思い浮かぶ。
伊達…政宗?
「そいつはお前が傷をつけたんだ。手当てでもしてやればいい」
そう言って伊達政宗は馬にまたがった。
しぶしぶと刀の男は私の手を引いて馬の方へと連れて行く。