翔る。
愛たい
抑えきれないほどの強い悲しみに襲われて私は目を覚ました。
「やーっと起きたね。」
半分呆れた顔で私を見て、親友の前園薫(まえぞのかおる)がそう言った。
「ってか…愛弓(あゆみ)泣いてる!?」
ふと顔に触れると頬が濡れていた。
私、泣いてたのか…。
あの夢を見ると必ずないているような気がする。
あの夢…
誰か大切な人との幸せな時間を過ごすって言う夢なんだけど…
なぜか悲しくなる。
どこかすごく懐かしくて、尊くて…―
涙がでるんだ。