翔る。
『父の仇』
そう言った彼の声は少し震えていた。
その声からひどく怒りと憎しみの感情が伝わってくる。
「父は畠山義継に…殺されたのだ」
…何故だろう?
その政宗の言葉にためらいを感じたのは。
後ろめたさを感じるのは気のせいだろうか?
疑問を感じる点はたくさんあったけれど、
これ以上は踏み入ってはいけないような気がした。
だけどやっぱり政宗はどこかしら寂しそうで、悲しそうで…
「ね、私も戦に連れて行ってよ」
力を貸してあげたいと思ったんだ。
力と言うほど大きなものではないけど、きっと何かしらの役にはたてるはず。
政宗は目を見開いて私を見ていた。