翔る。
愛手次第
「愛弓!!」
耳がキンとなるほどの大きな政宗の声。
「お前、全く弓が使えんではないか!!」
私が放った矢を見て政宗が叫んだ。
戦が始まって早一週間ちょっと。
私がどれほど弓が使えるのか見定める、と言うことで今の現状にいたる。
「ご、ごめん」
「ちっ、よいわ。お前は本陣にいろ」
政宗、すっごい苛立ってるな…
まぁ私が役に立たないせいもあるのだろうけど。
一番の理由は敵の畠山さんの息子の、国王丸がお城に立てこもっているせいだ。
政宗的に長期戦になるのは嫌らしい。
まぁ、小十郎さんの情報なんだけど。
とにかく政宗はイライラしている、ってこと。
だいたい、お父さんはなんで殺されたんだろう?