翔る。
「左目だけでは何も見えぬのか!」
辺り一帯に小十郎さんの声が響きわたった。
って言うか、小十郎さんって意外と意志をはっきりと主張する人なんだ。
私は木の陰からそんなことを考えていた。
「勝利には皆の力が必要です。今の士気では低すぎます」
「…伊達の頭領は俺だ。」
その瞬間に小十郎さんが政宗の右側に素早く移動した。
そして次の瞬間には、ドサリと地面に政宗は叩きつけられた。
「貴様!!」
政宗は頭に血が上ったのか、すぐさま立ち上がり言った。
そんな政宗に追い討ちをかけるように小十郎さんは言葉を続けた。
「片目で何ができるのです」
「黙れ!!」