翔る。
伊達成実side
俺たちは日の出とともに召集された。
今日の戦予定を発表するのだろう。
「今日も出陣かぁ…政宗様も諦めが悪いよなぁ」
ふとそんな言葉が聞こえた。
俺は何気にその者達の話に耳を傾けた。
「この寒さの中で城は落とせねーよな」
…確かに、と俺は心の中で同感する。
「手がかじかんで刀も握れねーよ」
兵士が白い息を吐きながら言った。
…やれやれ
「今日も出陣だろうから、しっかりと体を暖めておけよ」
俺はそう言って、話をしていた二人の兵士の間へと入った。
その二人は、はっと目を見開いた。
「し、成実(しげなり)様!!」
その兵士の驚きようがおもしろくて、つい笑ってしまう。
「はははっ、まぁそんなこと言わないでがんばろうぜ」
そう言って俺たちは召集場所へと向かった。