翔る。



そして、政宗のところに行こうとした時だった。




「今すぐ撤退の準備をしろ!急げ!」




血相を変えた小十郎さんがきて兵士たちに言い放った。


一体何があったのだろうか?





兵士たちはそんなことを気にしていないように、小十郎さんの言葉通りに動き出した。




みんなは次々と馬に乗って集まってくる。

小十郎さんもどこから連れて来たのか、いつの間にか馬に乗っている。




私、何すればいいか全然わからないんですけど。

よく考えてみれば私はここのシステムや仕組みのことなんてなに一つ知らない。


「こ、小十郎さん!」





「なんだ?…だいたい小十郎さんと私のことを呼ぶとは……」




小十郎さんが少し不機嫌そうな顔をしたので慌てて言い直す。


「えと…か、片倉様?」


今は機嫌を損なっている場合ではない。



「小十郎さんでもう良いがな。呼び名など気にしない」



…それは絶対嘘だ!

明らかに不機嫌でしたよ!



「じゃあ小十郎さん…私はどうしたらいいですか?」


「まだ撤退の準備をしていないのか?」


小十郎さんはそう驚いた顔つきで言ったけど、撤退の準備をするもクソもない。




「仕方のないやつだな。少しでも待っておけ」



小十郎さんはそう言ってどこかへ行ってしまった。











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