翔る。
「あ、小十郎さん……って馬!?」
小十郎さんが帰って来たと思ったら、一体何処から拾って来たのか、馬も一緒だった。
「こいつに乗って撤退をしろ」
小十郎さんがそう言った時だった。
「片倉様!!佐竹軍が攻めて来ました!!!」
血相を変えた兵士が小十郎さんに叫んだ。
え?どういうこと?
私に考える暇なく小十郎さんも叫ぶ。
「もう来たのか!?みな急げ!これより撤退する!!」
「あ、小十郎さ…」
「愛弓も馬に乗って急いで撤退しろ!私は先陣をきって撤退をする!」
小十郎さんはそう言って馬で走りさってしまった。