翔る。
「ほんと可愛げのない女だな。な、小十郎?」
「可愛げないなんていちいち言わなくていいのよ!」
そう言ったあとふと小十郎さんを見るとフルフルと震えている。
寒いのかな?
「小十郎さ…「なーーーにーーが、『な、小十郎?』ですか!!!」
小十郎さんは私の言葉を遮って怒りを露わにし始めた。
あの震えは怒りの震えだったのか。
「政宗様!ご自分がどんなに大変なことをされたのかお分かりなのですか!!!!」
小十郎さんは目を釣り上げてカッと見開いている。
その顔、すっごく怖いんですけど!!!
政宗はその小十郎さんの怒りを何とも思っていないようで……。
私の後ろに立っては、スルリと腕を私の身体に巻きつける。
「ちょっ!何してんのよ!!」
どんどんと顔が暑くなって真っ赤。
正直、私はこういった経験は一つもない。
なのですごく困る。
とてつもなく困る。
どう対処したらいいか全くわからない!