翔る。

愛味




「俺がいいって言ってるんだ。」




そう言って政宗は私を見る。

まるで「気にするな」と言うように、私を見る。



「まあ、済んでしまったことは仕方ないですし、愛弓を助けたと考えるならば良策と言うことにしておきましょう」




なんていい人たちなんだろう。

初めて会った時からは想像もつかないほど、今はこの人たちにとても感謝してる。


まだ会って数週間の、

ほとんどお互いのことを何も知らないのに、政宗たちは私のことを助けてくれたんだ。




なんだか、胸の奥が誰かに握りつぶされてるんじゃないかってぐらいに痛い。








< 74 / 85 >

この作品をシェア

pagetop