翔る。
私にとって愛姫にほっぺたをつかむことができるか出来ないかなんてどうだっていい。
私が気になるのは…
「だから、殿はあんたを放って置けないんだろうな」
政宗が私を気に掛ける理由。
ずっと気になっていた。
森で出会っただけの私に何もかも用意をしてくれている。
私は何も出来ないにも関わらず、何も言わずにここにおいてくれている。
側室にしようとしたのも、私を気に入ったんじゃなくて、私がそのお姫様に似ているから?
ああ、もう最悪な気分。
少しだけ…
本当に少しだけ思った。
政宗が私のことを好いてくれているからなんじゃないかって。