追憶の蓋
『泣き虫だな』

初めて会った時 あたしは泣いてて


『また泣いてる』

次に会った時も やっぱり泣いてて


『他人のことばっか一生懸命で』

会ううちに目が優しくなって


『俺、感化されてるわ』

よく笑うようになって


その不器用なとこが好きだわって

ぎゅっと抱きしめてくれた

初めて好きになった人


あたしを見つけてくれた人
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