追憶の蓋
すっかりアイスになり果てた

手の中のものを飲み干して

あたしは

カラカラののどに喝を入れた


彼は いない

どんなに望んでも

神様にだって どうしようもない

だから


だから

あたしはまた歩いてやる


ささいなはずみで

記憶が零れだしたって

癒えない傷がまだ痛むうちは

あたしは 絶対に
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