追憶の蓋
「冷えちゃったよ」

秋冬のあたしの指は冷たくて

汁粉までコールドになるんだよ

そんな会話

いつだったかしたの覚えてる


「だいじょうぶじゃないよ」

まだ

「だけど、だいじょうぶ」


それだけ言って

あたしは顔を上げた


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