追憶の蓋
『なんでこんなに冷たいの』


自販機の前で

凍えた指をあたためようと


『ほら、温かい?』

パーカーの中に

手をツッコんだ ただそれだけで


『両手貸してみ?』

思い出したくなんか

ない、のに


『体温 全部やるよ』

声が 止まらない・・・
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