ストーカー

犯人

加地宅に着いた一同は、加地の許可より家内へと入った。


「何が聞きたいんですか?」

加地が人数分のコーヒーが入ったカップを運ぶ。


「あの日、君は自分の意志で姫野を付けたのか?」

五十嵐が手を組み、冷静に問掛ける。


加地は一瞬躊躇う。

「…は、はい」

「ホントに?」

岡田が笑みを浮かべる。


加地が爪をかじる。

「あー! 嘘ついてる!」

紀山が彼を指差す。


爪をかじる癖は嘘をついている証拠だった。

同僚の皆は、それを知っていた。


知らないのは五十嵐だけだった。
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