ストーカー
夕食。

母親との何気無い会話。

「父さんがいないと、寂しいね。この家…」

父親は二年前に他界した。

「そうだね。唯一の一人娘は都会に行くし」

「ゴメン」

「アンタ結婚する相手いないのかい?」


私は内心ドキリとした。

「いない…」

「早く孫を見せて欲しいわ」

「今は仕事の方を取るわ」

「親孝行しなさいよ」

私の肩に疲れが乗しかかる。

私はこんな会話をしに来たんじゃない!


味噌汁を飲み干し、私は立ち上がった。


「私、仕事忙しいから明日には帰るね」

私は、母親から逃げるように寝室へと向かった。
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