ストーカー
嘘よ!?

彼が犯人!?

嘘……

嘘……


嘘よ!!


「それとこれ」

岡田が一枚の写真を取り出した。

「デスクが姫野さんの写真をこっそりと撮っている場面を僕が撮りました」


確かに、そこには五十嵐の姿が私を捕えている。


電車で堂々とシャッターを切っている。

電波が悪かったのは、互いにトンネル前に差し掛かる場所で電話をしていたからか……。

「本当のストーカーってデスクなんじゃあないですか?」


信じたくない真実だった。じゃあ、斎藤の件は?

五十嵐が仕向けたことなのだろうか?


いや、寧ろ五十嵐を犯人に仕立てようとしている人物がいるのでは?


「アナタも怪しいわ」

岡田にその言葉を投げ掛けて、私は立ち去った。


岡田の顔は一瞬、冷たい表情になったような気がした。
< 53 / 100 >

この作品をシェア

pagetop