ストーカー
――「そうなんですか」


加地は二杯目の紅茶を煤る。

「その写真を見せてくれません?」


私はポケットから例の写真を取り出した。


彼は黙って見ている。


「これ、合成かもしれませんね」


「え?」


「よく見てください」


よく見ろって、よく見たく結果、不安が残っているのだ。


「分かりませんか? 姫野さんの背後に陽が射しているでしょ?」


確かにあの日は背中が暑かった記憶がある。


「普通、写真撮る時どうしましすか?」


私は写真と加地を交互に見た。

「陽に向かってシャッターを切らないわ」

「ビンゴです!」


私は少しだけ安堵した。


「ちょっと待っててください」

そう言って、他の部屋から携帯電話を持って来る。
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