ストーカー
深夜の会社。


社内には珍しく紀山がいた。

「先輩……」

「珍しいわね」

「加地くんまで…」

「お久しぶりです」


私は早速、岡田の机をあさった。

加地は五十嵐の椅子に座る。


「ここの眺めっていいですね」

加地は近くにあった万年筆を浪人回しする。

私は彼の話しを流していた。

「なにしてるんですか先輩?」

私は紀山の話しをも無視した。


「でも、おかしいですね」


私はようやく食い付いた。


「何が?」

加地は万年筆を上唇と鼻で挟む。
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