ストーカー
そういえば、彼を警察に突き出した時、彼は私に何の用があったのだろうか?



私は小さく溜め息を吐いた。

とにかく、後で彼の家へ訪れよう…。



「どうしたんだ?」

五十嵐の声。

私は振り向き、五十嵐を見つめた。

「いえ…」

「それにしても、俺は疫病神かな?」

「え?」

「いや、俺が来て一年。俺が来てから、君には災難が取り憑いている様な気がする」


確かに…。

疫病神かもしれない。

しかも、先程の加地の電話から、五十嵐に対する不信感は深まった。


彼はあの日、私をなぜ付けたのだろう?

偶々、電車に乗りあわせただけ?


頭の中が圧迫される様な気がした。
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