ストーカー
「まさかパスワードを解かれるとはね」

加地は飲みかけの紅茶を飲み干した。


「あ、アナタもやっぱりストーカーだったのね」


加地はカップを台所へと持って行く。


「世間ではストーカーって言うのかな? 不思議と僕にはストーカーという行為を実感することはできない」


加地はカップを洗い出す。


「ふざけないでよ! アナタが私の跡を付けてたのね!」

「ああ、そうですよ〜。何か追い掛けてる内に、姫野さんの慌てた顔を見るのが癖になりました」

私はゾッとした。

「でも、それも岡田さんが捕まって終わりになりました」

私はなるべく冷静さを保つようにした。
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